「できる人」という幻想

2014年の17冊目(4/12)。

常見陽平「「できる人」という幻想」NHK出版(2014年)★☆☆

キャッチーな書名とテーマで、目の付けどころはいい。「即戦力」「グローバル人材」「コミュニケーション力」「起業家」という4つのキーワードが、現在どのように語られ、語られてきたかを見ながら、「できる人」幻想を考察している。
大企業の「入社式」の社長訓示、流行語、「今年の新入社員○○型」を時系列的に分析しているところを読むと、時代の空気や雇用環境が色濃く反映されていること、その一方で、いつの時代も変わらぬ固定的な若者観があることがわかる。社会や大人が抱く若者観や期待が変わらなくても、経済環境や雇用環境が大きく変わってしまったがために、「できる人」幻想を深く内面化してしまう若者が増えているのかなと感じた。
購入した翌日の電車の行き帰りで読み終えてしまい、なんだか軽い本だなという印象をもったが、著者の指摘は鋭い。
著者は30代後半に大学院に入り、雇用・労働関係の研究をしているようだ。私も40過ぎに社会人大学院で学んだ経験があり、著者の研究分野には大変興味がある。学術的な論文とは言わないまでも、問題意識をもって日々働いている大人向けに、歯ごたえがあり、思考を深めてくれる、そして次の具体的行動を考えるヒントになる著書を今後期待している。



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