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<<   作成日時 : 2017/01/15 14:14   >>

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2017年の4冊目(1/15)。

大川慎太郎『不屈の棋士』講談社現代新書(2016年)★★★

 将棋棋士がコンピュータの将棋ソフトに対してどのような思いを持っているか、11人の棋士へのインタビューをもとにした本。昨年の7月に出た本だが、世間を騒がせた出来事が一段落した後、手にとってみた。
 聞き手である著者のインタビューの「腕」はさすがだと感じた。羽生善治、渡辺明、森内俊之、佐藤寿光といったトップ棋士に加え、将棋ソフトの研究利用に肯定的な立場、慎重な立場、実際にソフトと対戦した棋士と多様だが、それぞれの考えをうまく聞き出している。共通するのは、誰もがコンピュータ将棋の実力は認めているということ。意外なほどに、ソフトに否定的な考えを持っているわけではない。西尾六段や千田六段はソフト積極派であり、内容も大変興味深かった。一方、佐藤九段や行方八段は人間の力を信じたい派。現時点では、ソフトにどう向き合ったらいいか試行錯誤の段階なのかもしれない。棋士としてどんな将棋を指していくか、それぞれが深く考えている。棋士は将棋ファンに対してどのような貢献をしていくかが問われているようだ。
 村山七段のインタビューに、丸山九段の発言が出ており、研究でソフトを活用する際にソフトによる指し手の評価に頼り過ぎると、「読みの筋肉が落ちちゃう」という。なるほどその通りだと思った。人間と人工知能のどちらが強いかだけではなく、人間の思考とコンピュータの思考の違いが何か。将棋で言えば、人間が自分の頭でどれだけの手を「読みこむか」、対局者両者の読みの裏付けの中、相手とどれだけ駆け引きをして勝負をするか、ここを見てみたい。
 こういう本を読むと、仕事への「人工知能」活用云々の流行りの議論が少々薄っぺらく感じてきた。

不屈の棋士 (講談社現代新書)
講談社
大川 慎太郎
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